従業員退職金による資金の枯渇を心配した新財務責任者

業種:卸売業

売上高:9億

従業員:50名

担当企業様の背景

創業35年の卸売業。社長は65歳を過ぎ、近々勇退を検討されています。社長の参謀であった前財務責任者様は、すでに後進に任されていました。ただし前責任者様は現在も顧問であり、現責任者様のお考えにことごとく反対されます。
現責任者様が最も心配していたのは、今後迎える従業員様の退職金の原資でした。年毎に整理された一覧表を拝見すると3年後から毎年数百万円の退職金があります。その積立が全くされておらず、資金の枯渇を心配されていました。

実施した対策

・生命保険での退職金積み立て
税引き前利益が2,000万円ある企業様ですが、前責任者様は「税金を払った方がキャッシュが残る」と利益の繰延をしていませんでした。
とは言いましても「隠れ債務」と呼ばれる退職金の積み立てが全くできていないのは、企業存続を妨げます。
そこで保険料が全額損金になり、かつ貯蓄できる生命保険の活用を提案致しました。
現責任者様からは、社長と前責任者様へのプレゼンテーションを依頼いただき、対応させていただきました。前責任者様は私にではなく、現責任者様に対し「提案としては良いが、どこに払う金があるんだ!」ともの凄い剣幕で否定をされます。新責任者様は一歩も引かれることなく、「今後の退職金の支払いのためにこの手段が必要です!」と対抗され、採用いただくことになりました。
・社長の事業保障にも備える
今まで社長は生命保険に加入されていませんでした。ただし、社長は株主でもありますし、借入金の個人保証もあります。上記の生命保険の被保険者を社長にしていただき、事業保障にも備えていただきました。
生命保険については他にも3社様と競合しましたが、全てが貯蓄に主眼を置いたご提案であり、貯蓄性が高まる若い方を被保険者にしたプランでしたが、企業様には経営者が抱えるリスクについてもご理解をいただきました。

現在の状態

財務分析もさせていただき、現責任者様には銀行がどのような観点で決算書を評価しているかについて、情報提供させていただきました。
その結果、現責任者様は自信を持って銀行との面談ができるようになったとのことで、非常に喜ばれ、来期の財務分析もご依頼いただきました。